2004年09月
2004年09月19日 13:17
Bridge and Target の技術マニュアルには、この動物のトレーニング方法の技術が説明されているのだが、筆者は、このマニュアルの後の方で、相当数のページをさいて、用語の定義を行っている。
英語のそれぞれの用語を、論理展開の順を追って説明し、その次に、同じだけのページ数をさいて、用語をアルファベット順に辞書のように並べて、同じ説明文を掲載している。
これらの用語の多くは、行動分析主義による心理学で使われ、そこから展開している、昨今の犬のトレーニング法の中でもよく耳にする言葉だ。
reinforcer , punisher, operant conditioning, positive, negativeなどなど・・・
カタカナになおされ、また日本語の言葉に言い換えられ、犬のトレーニングに興味を持つ私達のまわりに氾濫している言葉群である。
確かに、筆者がこれらの言葉を、どのように定義しているかをきちんと理解しなければ、方法論の底に流れる思想を知ることはできないはずだ。
これらの言葉の、筆者による定義は、それぞれとても興味深い。
この技術マニュアルにおける
positive の定義は「(その環境に)加える」であり、
それに相対する言葉としての
negative の定義は「(その環境から)減じる」だ。
reinforcer その直前の行動の頻度をあげるもの
punisher その直前の行動の頻度を下げるもの
筆者はpunisherという言葉は、感情的な誤解を引き起こし
やすいので、 diminisherという言葉に置き換えたい
(その方が論理的)と考えているようだ。
positive reinforcer 動物の行動直後に(環境に)加えられる
ことにより直前の行動の頻度が増す、
動物が欲するもの(こと)
negative reinforcer 動物の行動の結果として直後に(環境から)
削減されることにより、直前の行動
の頻度が増す、動物が嫌うもの(こと)
だから、もちろん、punisher にも positive と negative があるわけだ。
ん~・・・なるほどぉ~。
などと読んで、そのまま行動学の世界ネット上でさまよっていると、operant cinditioning から Skinner理論 に行き着き、さらに、行動学の日本語サイトに行き着いた。
そこでは、学術用語として、reinforcerは「好子」、punisherは「嫌子」という言葉で表現されていた。
犬のトレーニングの世界では、科学的な根拠に基づいた新しいトレーニング法として、operant conditioning についての説明や、positive reinforcerを使ったトレーニング法の有効性などが説明されることが多いが、この「好子」「嫌子」という言葉は、犬のトレーニングでは聞いたことが、私はなかった。
犬のトレーニングにおける行動学の理論と、それ以外の学術的な分野での行動学の理論とは、どこが接点で、どこが懸け離れているのだろう?
何が、どう、訳されているのだろう?
さまよっただけの理解なので、私が間違って受け取った部分はあるのだろうが、純粋に、興味は尽きない。
このマニュアルの筆者の Kayce Cover さんは、もし、自分が日本で、自分の技術を説明するという仮定の元、英語と日本語の語順の違い、そこにあらわれる英語圏と日本語圏の文化の違いについて、大変に興味があるという。
自分の話が、どのように伝わり、どのように理解され、どのように実践され、どのように、ヒトと動物とのコミュニケーションに反影されるのか?そして、動物が、きちんとそこから恩恵を受けるか?そんなことを、とっても気にしている。
動物が、きちんと恩恵を受け、ヒトの社会の中で生涯を全うできなければ、トレーニングの意味はないのだから・・・。
自分の母国語で説明する時でさえ、一番の基礎となる単語の相互理解を取ることに重きをおき、異文化圏で自分の提唱する方法論を説明するにあたって、その理解する、大本の言葉の成り立ちの違いに注目する。
コミュニケーションの原点に細心の注意を払い、実社会での結果を重視するという点において、動物のトレーニング、動物とのコミュニケーションに成功するヒトの、その成功の理由が、なんとなく解るような気がする。
英語のそれぞれの用語を、論理展開の順を追って説明し、その次に、同じだけのページ数をさいて、用語をアルファベット順に辞書のように並べて、同じ説明文を掲載している。
これらの用語の多くは、行動分析主義による心理学で使われ、そこから展開している、昨今の犬のトレーニング法の中でもよく耳にする言葉だ。
reinforcer , punisher, operant conditioning, positive, negativeなどなど・・・
カタカナになおされ、また日本語の言葉に言い換えられ、犬のトレーニングに興味を持つ私達のまわりに氾濫している言葉群である。
確かに、筆者がこれらの言葉を、どのように定義しているかをきちんと理解しなければ、方法論の底に流れる思想を知ることはできないはずだ。
これらの言葉の、筆者による定義は、それぞれとても興味深い。
この技術マニュアルにおける
positive の定義は「(その環境に)加える」であり、
それに相対する言葉としての
negative の定義は「(その環境から)減じる」だ。
reinforcer その直前の行動の頻度をあげるもの
punisher その直前の行動の頻度を下げるもの
筆者はpunisherという言葉は、感情的な誤解を引き起こし
やすいので、 diminisherという言葉に置き換えたい
(その方が論理的)と考えているようだ。
positive reinforcer 動物の行動直後に(環境に)加えられる
ことにより直前の行動の頻度が増す、
動物が欲するもの(こと)
negative reinforcer 動物の行動の結果として直後に(環境から)
削減されることにより、直前の行動
の頻度が増す、動物が嫌うもの(こと)
だから、もちろん、punisher にも positive と negative があるわけだ。
ん~・・・なるほどぉ~。
などと読んで、そのまま行動学の世界ネット上でさまよっていると、operant cinditioning から Skinner理論 に行き着き、さらに、行動学の日本語サイトに行き着いた。
そこでは、学術用語として、reinforcerは「好子」、punisherは「嫌子」という言葉で表現されていた。
犬のトレーニングの世界では、科学的な根拠に基づいた新しいトレーニング法として、operant conditioning についての説明や、positive reinforcerを使ったトレーニング法の有効性などが説明されることが多いが、この「好子」「嫌子」という言葉は、犬のトレーニングでは聞いたことが、私はなかった。
犬のトレーニングにおける行動学の理論と、それ以外の学術的な分野での行動学の理論とは、どこが接点で、どこが懸け離れているのだろう?
何が、どう、訳されているのだろう?
さまよっただけの理解なので、私が間違って受け取った部分はあるのだろうが、純粋に、興味は尽きない。
このマニュアルの筆者の Kayce Cover さんは、もし、自分が日本で、自分の技術を説明するという仮定の元、英語と日本語の語順の違い、そこにあらわれる英語圏と日本語圏の文化の違いについて、大変に興味があるという。
自分の話が、どのように伝わり、どのように理解され、どのように実践され、どのように、ヒトと動物とのコミュニケーションに反影されるのか?そして、動物が、きちんとそこから恩恵を受けるか?そんなことを、とっても気にしている。
動物が、きちんと恩恵を受け、ヒトの社会の中で生涯を全うできなければ、トレーニングの意味はないのだから・・・。
自分の母国語で説明する時でさえ、一番の基礎となる単語の相互理解を取ることに重きをおき、異文化圏で自分の提唱する方法論を説明するにあたって、その理解する、大本の言葉の成り立ちの違いに注目する。
コミュニケーションの原点に細心の注意を払い、実社会での結果を重視するという点において、動物のトレーニング、動物とのコミュニケーションに成功するヒトの、その成功の理由が、なんとなく解るような気がする。
2004年09月03日 21:14
フリースタイルとは、犬と一緒に音楽にあわせて動く、事を基本とするのですが、ここでも、いつも、虐待的行為、は禁止されています。犬を人道的に扱わないとイケナイ。
今、一番この世界をリードしているのはイギリスで、この国では、このスポーツ(ヒールワークトゥミュージック/フリースタイル)は、KC公認のドッグスポーツとなりました。
世界をリードしているだけに、イギリスでの動向には、他の国からもみんなが注目していて、いろいろな事が話題となります。
昨年は、あるイギリスのトップフリースタイラーが、犬に「逆立ち」をさせた、として、批判が出ました。
この「逆立ち」は、実は、ベルギーのフリースタイラーが「独創性のアル犬の動き」として発表している動きなのですが、なにも、犬が逆立ちして歩く、というのではなく、ハンドラーの身体に後ろ足を添わせる形で、前足で立つ、という動きなのです。
この動きを、2003年のコベントリーの競技会のルーティーンに取り入れたイギリスのトップフリースタイラーに、批判が集まりました。
「フリースタイルはサーカスではない。彼(この動きを取り入れたハンドラ-)が、この動きを犬に教えるにあたって、虐待的行為をしているわけがない事はわかっているし、使い方も、とてもスマートであった事はわかっている。
しかし、彼を真似する人達が、皆、同じ様に、人道的に犬を扱う事は保証できる物ではない。
トップの立場にいる人には、自分の行動が多くの人に影響を与え、その結果が、自分の意志に反して望ましくない方向に向かう事を自覚する責任がある。」
という主旨の文章が、イギリスの、フリースタイル会の大御所とも言える人のサイトに掲載されました。
「のーぶる・おぶりーじゅ」ってやつですね。
という事で、この話を日本のフリースタイル愛好者にしたら、「kuroさん、JKCの服従訓練競技の自由科目の科目表の中に、『逆立ち』も『玉乗り』も、あまりお勧めでない、という注釈付きでのっているんですよ。」
と教えてくれました。
「でも、さすがに、『火の輪くぐり』は、最近は、この表から削除されたんですけど。」
って、事は、ちょっと前まで、JKCの競技会の科目に、「火の輪くぐり」があったって事。
イギリス人が知ったら、虐待だって騒ぐかもねぇ~・・・それで、最近はなくなったのかな、などと言っていたのですが、
でもぉ~、、
今年、コベントリーの後でイギリスで行われたフリースタイルの競技会で、同時に行われた action dogsというグループのデモの写真を見たら、「火の輪くぐり」やってました。
っで、それについては、だれも、イギリスのフリースタイルの世界の人達は、批判もしていなかった。
話題にも取り上げていなかった。
写真、見たはずなのだけど・・・。
自分達の犬とは別の犬達のやる事だから、いいのかなぁ~?
このグループは、毎年、デモを行っているらしいのだけど、ってことは、毎年、みんなそれを見ていて、また次の年もやるって事は・・・?
もしかしたら、あえて、話題に取り上げなかったのかもしれないです。
一度、聞いてみたいです。
今、一番この世界をリードしているのはイギリスで、この国では、このスポーツ(ヒールワークトゥミュージック/フリースタイル)は、KC公認のドッグスポーツとなりました。
世界をリードしているだけに、イギリスでの動向には、他の国からもみんなが注目していて、いろいろな事が話題となります。
昨年は、あるイギリスのトップフリースタイラーが、犬に「逆立ち」をさせた、として、批判が出ました。
この「逆立ち」は、実は、ベルギーのフリースタイラーが「独創性のアル犬の動き」として発表している動きなのですが、なにも、犬が逆立ちして歩く、というのではなく、ハンドラーの身体に後ろ足を添わせる形で、前足で立つ、という動きなのです。
この動きを、2003年のコベントリーの競技会のルーティーンに取り入れたイギリスのトップフリースタイラーに、批判が集まりました。
「フリースタイルはサーカスではない。彼(この動きを取り入れたハンドラ-)が、この動きを犬に教えるにあたって、虐待的行為をしているわけがない事はわかっているし、使い方も、とてもスマートであった事はわかっている。
しかし、彼を真似する人達が、皆、同じ様に、人道的に犬を扱う事は保証できる物ではない。
トップの立場にいる人には、自分の行動が多くの人に影響を与え、その結果が、自分の意志に反して望ましくない方向に向かう事を自覚する責任がある。」
という主旨の文章が、イギリスの、フリースタイル会の大御所とも言える人のサイトに掲載されました。
「のーぶる・おぶりーじゅ」ってやつですね。
という事で、この話を日本のフリースタイル愛好者にしたら、「kuroさん、JKCの服従訓練競技の自由科目の科目表の中に、『逆立ち』も『玉乗り』も、あまりお勧めでない、という注釈付きでのっているんですよ。」
と教えてくれました。
「でも、さすがに、『火の輪くぐり』は、最近は、この表から削除されたんですけど。」
って、事は、ちょっと前まで、JKCの競技会の科目に、「火の輪くぐり」があったって事。
イギリス人が知ったら、虐待だって騒ぐかもねぇ~・・・それで、最近はなくなったのかな、などと言っていたのですが、
でもぉ~、、
今年、コベントリーの後でイギリスで行われたフリースタイルの競技会で、同時に行われた action dogsというグループのデモの写真を見たら、「火の輪くぐり」やってました。
っで、それについては、だれも、イギリスのフリースタイルの世界の人達は、批判もしていなかった。
話題にも取り上げていなかった。
写真、見たはずなのだけど・・・。
自分達の犬とは別の犬達のやる事だから、いいのかなぁ~?
このグループは、毎年、デモを行っているらしいのだけど、ってことは、毎年、みんなそれを見ていて、また次の年もやるって事は・・・?
もしかしたら、あえて、話題に取り上げなかったのかもしれないです。
一度、聞いてみたいです。