2005年06月

2005年06月30日 23:48

フリースタイルを始めるにあたっては、少なくとも、犬が人の意図を理解しきるよう、そして理解したいと思うようになる、基礎的な練習が必要になります。一般的に、「服従訓練」と呼ばれています。
   この言葉は、いろいろな意味において、ヒトに、この訓練の本質を誤解させる
   ような言葉だと思います。日本語における「服従」という言葉の意味がたいへ
   んに強いので、私には馴染めません。
   
   でも、もしかしたら、英語の obedience は違ったニュアンスなのかと思って、
   WCFOのMLで質問した事があります。返事をしてくれたのは、サンドラ・デー
   ビスさんで、英語でも、日本語と同じように、あたかも奴隷を力づくで従わせ
   る、といった意味を持つそうです。

   そのせいで、多くの人が、このトレーニングの本質を誤解しているので、何か、
   良い言葉はないものかと、何年も、考えあぐねている、とサンドラさんは言っ
   ていました。

この基礎を、フリースタイルに必要な形で強化しましょう。

(1)ヒールワークからの「スワレ」「タッテ」「フセ」
  a)8拍ヒールワークの後、9拍目に「スワレ」のコマンドをかける。
   コマンドから犬が「スワレ」のポジションに来るまで、ハンドラーは、
   ヒールワークと同じリズムで足踏み。
   「スワレ」にかかる拍数(時間)を覚える。
  b)8拍ヒールワークの後、9拍目に「スワレ」のコマンドをかける。
   ハンドラーは、そのまま歩き続ける。(行進中の「」ですね。)
   ハンドラーはa)でかかった拍数を進む(この時、犬は「スワレ」完了)。
   ハンドラーは歩き続けながら犬をヒールポジションに呼ぶ。
  c)ヒールワーク
   スワレ/ハンドラーは進む
   ヒールポジションに呼ぶ(ハンドラーは歩きながら)
   これを、リズミカルに繰り返す。

(2)「スワレ」「タッテ」「フセ」
  a)順次、ハンドラーのコマンドにあわせて行う。
  b)ヒールワークの続きでa)を練習し、その後、はヒールワークを加える。
   
この練習では、基礎の強化すると共に、犬がコマンドを聞いてから動作を起こし完了するまでに、どのくらいの時間がかかるかを、ハンドラーは自分も足踏みをしたり歩いたりしながら、体感として覚える事ができます。

これは、犬もハンドラーも気持ちよく、自然に動ける様に振り付けを考える上で、重要な要素になります。
                            kuro


2005年06月24日 10:54

ポジション維持を覚えたら、そのポジションを変える練習をしましょう。イヌとハンドラーの位置関係、ポジションを変える為に、イヌが動きます。

ポジションの変更は、ハンドラーとイヌの位置関係が変わることで、チームとしての動きにダイナミズムをもたらします。また、コマンドによりイヌが自分だけで動くことにより、そのイヌ独特の動きを見つけることができます。


基本的なヒールポジション変化として、
  左脚側からフロントへ、  フロントから右脚側へ
  右脚側からフロントへ、  フロントから左脚側へ
  左脚側から、イヌがハンドラーの前を通って右脚側へ
  右脚側から、イヌがハンドラーの前を通って左脚側へ
  左脚側から、イヌがハンドラーの後ろを通って右脚側へ
  右脚側から、イヌがハンドラーの後ろを通って左脚側へ

上記の動きの練習は、「ポジションをきちんと覚える」で練習した、イヌがポジションを探してその位置に来る練習の応用です。

イヌがどのような動きをするかは、個々のイヌによって違います。そのイヌの動きのくせが現れます。頭の位置、後ろ足の動かし方、前足のあげ方、速度、第1歩目の出し方等、それぞれの違いを見ることができます。

まずは、あまり形を規制せず、イヌがスムーズにイヌ固有の速度で、イヌが気分良くポジションを変える動きをそのまま受け入れ、そこにコマンドをのせましょう。
                             kuro


2005年06月23日 14:36

ポジションをきちんと覚えたら、そのポジションをきちんと維持することを練習する。
(前回のポジション練習の 2 の詳細)

ポジションを覚える為には、イヌを待たせてハンドラ-が動き、その位置へイヌを呼び込んだが、こんどはイヌはハンドラーと一緒に動く。ハンドラ-がポジションを指示しながら動いた時、イヌがそのポジションを維持しながら動く、つまり、それがヒールワークとなる。

「維持する」ことを練習する時に、服従訓練とは違い、フリースタイルで許されている、「ハンドラーは、いくらでもイヌにコマンドを出したり話し掛けたりしても良い」ということを使って、「それが正しいよ、良くできているよ」というサインをだし続けることにより、イヌの作業意欲を高く保つことができる。

基本的なヒールワークとして、
  左脚側で、イヌがトロットで前進。
  右脚側で、イヌがトロットで前進。
  フロントで、イヌがトロットで前進(この時、ハンドラーは後退)。

まず、左脚側から:
1・イヌを左脚側につけ、ポジションのコマンドを言いながら、左足を1歩前に出し、
  左足について動くことを、イヌに経験させる。
  その後、後ろに残った右足を、左足のもとに引き上げる。

2・イヌがハンドラーの左足について動くことを経験したら、
  こんどは、コマンドを言いながら、左足は動かさず右足を1歩前に出し、
  この時は、「イヌが動かない」ことを経験させる。
  (イヌはあくまでも、左足について動く。)

  *この1、2は、繰り返し、しかも、楽しく練習をし、イヌの作業意欲を高く持つ。
  *ハンドラーに対するアイコンタクトの維持=ハンドラ-と動くのは楽しい。
  *作業に対する集中力を養う。

3・少しずつ、歩数を伸ばす。

4・右に曲がる。

5・左に曲がる。

この時、一番基本的なヒールワークとして、イヌがトロットで気持ち良く歩ける速度を探し、ハンドラーは、その速度を維持できる自分のステップを見つける。
                              kuro

2005年06月13日 02:45

ポジションをきちんと覚える

1・ヒールポジションから 「マテ」
  A)ハンドラーは、一歩前に動く
   ヒールポジションに呼ぶ
  B)ハンドラーは、30度左へ角度をつける
   ヒールポジションに呼ぶ
  C)ハンドラーは、30度右へ角度をつける
   ヒールポジションに呼ぶ
  D)60度、角度をつける
   ヒールポジションに呼ぶ
  E)直覚に角度をつける
   ヒールポジションに呼ぶ

2・犬をヒールポジションにつけたまま、
  ハンドラーはヒールポジションを指示しながら少しずつ動く(→ヒールワークへ)

3・犬を少し離れたところに待たせ、ヒールポジションに呼ぶ
  A)犬より少し前に動いた位置から
  B)犬から少し離れた位置から
  C)犬と対面した位置から
  D)犬の後ろから

少しづつ動く→←少しの成功をいちいちほめる。
アテンションは自主的に、
「型」を覚えるためには、ハンドラーからの助け/誘導が必要
                               kuro

2005年06月07日 13:52

日本で有名な、アメリカの犬トレーニングインストラクターのテリー・ライアンさんは、「引出しを多く持つ」という表現をすると聞いたことがあります。(あれ、、、もしかしたら、ポケットを多く持つ、だったかな?)

ひとつの事象に対する対処の方法はひとつではない、それぞれの場合によって、いろいろな対処のしかたを知っている必要がある、つまり、それぞれの引出し(ポケット)にしまわれた方法を、正しいタイミングで引っぱりだして使え、という、そういう意味だったと記憶しています。


私は、自分の犬のトレーニングを、ほとんど独学でやってしまいました。だから、ところどころで行き詰まると、大抵、その場で足踏み状態が続きます。

例えば、バックウィーヴ、これを最初に見たのは、おそらく1996年か1997年頃。どうしたらこんなことができるのか、思いもつかなかったので、これは、ズ~~ット宙に浮いていました。

確か、1999年、フリースタイルのセミナーに参加したことのある人から、この動きは犬のマズルの方向を振ることにより教えると習った、という話を聞きました。ああ、そうか、、、、うちへ帰って、長年宙に浮いていた動きを教えることができました。

この「マズルを振る」は、私にとっては、大きなブレイクスルーでした。


最近、ここ数年、AI DOG SCHOOL で練習させていただいて、そのあと、このスクールの躾教室のレッスンを見学しています。トレーナーの幸松さんのレッスン風景を見ると、前述のたくさんのポケット、という言葉を思い出します。

6月5日の練習会でも、そのことを、本当に実感しました。

ひとつ、バックという動きをとって、それを犬に教えるといっても、練習会のビギナーコースに参加した犬達の犬種はまちまちで、ハンドラーの悩みも、単にさがらない、ということから、曲がるということまで、様々です。

私にとって、バックウィーブへのブレイクスルーポイントがマズルの方向、ということだったと同じ様に、それぞれに、ひとつ適格なポイントを見つけることができると、たいていの場合、大きく動き出すことができます。

ポケットの中に、いろいろと詰め込むことは、集中してかきあつめれば、結構短い時間でできることの様な気がします。しかし、どれをどのくらい取り出すかを見きわめるのは、かなり難しいことの様に思います。


以前、アンディ島田さんも、
「私はプロですから、どんな動きでも、犬に教える方法を見つけられます。」
とおっしゃっていましたが、幸松さんがちょっとしたポイントを、それぞれに的確に選んでいるのを見ると、その持ってらっしゃる40年近いプロのトレーナーの経験の重さを、改めて実感したのです。

当たり前、という声もあるかもしれないですが、そうじゃないことが、最近多いので・・・。
                           kuro

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