2005年08月

2005年08月26日 10:59

御褒美がないと、なんとなく犬のやる気が失せてしまうとか、2分から3分という、ルーティーンの時間、犬のやる気を維持できないというような場合、バックチェイニングでの練習が効果があります。

この方法で、御褒美無しで積極的/意欲的に作業できる時間を長く保てるようになったという話を、フリースタイルの世界ではよく聞きます。


一連のmovesの決まった順番での連続をシークエンスといっています。

動作を[A][B][C][D]......と表現します。

シークエンス [A]-[C]-[A]-[B]-[D] の練習をする場合、最終的な完成型としては、結果的に、[D]は御褒美につながるmoveという事になります。

そこで、御褒美につながる[D]から練習を始めます。

[D] 御褒美、[D] 御褒美、[D] 御褒美、[D] 御褒美、、、、、

を繰り替えした後、[B]を練習し、それに続けて[D]、そして、御褒美。

そうすると、犬は、[B]の後すぐに御褒美がなくても、[D]を指示すると、これは御褒美につながるmoveですから、積極的に作業するようになります。

犬の中に、[B]-[D] 御褒美、[B]-[D] 御褒美、[B]-[D] 御褒美、、、、の関連が出来上がるわけです。

この形で、次々と動作を増やしてゆくと、最初の[A]から終りの[D]まで、アテンションを持続しながら意欲的に作業できるようになるわけです。

   *****

うまくいきそうな方法には、必ず落とし穴があります。

バックチェイニングの練習を繰り返すと、終りの動作に近付くに連れ、「急いで」「スピードを上げて」動く犬や、途中最後から2番目をすっ飛ばしてしまう犬もいます。

そのため、練習では、最後の[D]は3~4回繰り返すとか、[D]の後に、もう一度[A][B]をやってから御褒美、という形で練習するとか、いろいろな形での調整が必要になるかもしれません。
                                kuro

2005年08月20日 22:40

暑い都会を離れて、犬達と山奥に避難しました。

日中の気温、24℃、夜間、15℃。申し訳ないような快適な気候。ここになれてしまうと、都会へ帰ってからが辛そう・・・。

早朝に、近くのスキー場の野原で、朝露の中、びしょびしょになりながらのお散歩。犬の通った後は、朝露が乱れて、犬達の軌跡が浮かびます。犬は草原が似合う。

私は、毎日毎日、ディック・フランシスを読みふけりました。

地震がありました。ふわりとゆれ続け、犬の水入れの水がゆらゆらと揺れました。

テレビのアンテナが、冬の雪でダメになってしまったらしく、全く受信できなくなっていたので、ラジオをつけると、宮城沖を震源として、どこかの町で、震度6とか。次の日の朝、スキー場のホテルのロビーで、新聞を読みました。

ななかまどが少しだけ、紅く色付いていました。いつもの年は、今頃の時期、もう少し、紅葉している木々があると思うのに、、、今年は秋が遅いのでしょうか?

大気の状態が不安定、という事で、スコールのような大雨と雷。ちょうど良いので、「あれは雷。こういう時には落ち着くように。」の練習をしました。

そして、美しい満月。青白い光が、白樺の葉かげから降り注ぎ、夜寝る前に外へでた犬達をくっきりと浮かび上がらせました。

6日目の朝、この夏休み中、初めて、他の犬に会いました。いつものように、他の犬と会わない日々の続いた後、うちの犬達は、よそのワンちゃんに会うととても嬉しそう。

道路が混まない日と時間を狙って、都会へ帰ってきました。

明日から、又、日常が始まります。             kuro

2005年08月12日 17:51

まず、この練習の前条件として、アイコンタクトしている時のご褒美が出てくる(ご褒美をじっと見つめていてもダメよ、と言うこと)こと。

次に、「よくできました」の意味を持ちしかもご褒美に繋がる言葉「ソウ」「イエス」などの条件付けをすること。BnTでは、これをターミナルブリッジと呼んでいます。

そして、犬達に状態/完了に近付きつつあるけど、まだ終わっていないを示す、小刻みに連続した「ソゥソゥソゥソゥ・・・・・」を練習。私は、この方法をうちの犬達に状態を教えるために使っていました。この言葉での誘導に、うちの犬達はよく反応し、こちらの意図をよく理解してくれました。BnTでは、これを、インターミディエイトブリッジと呼んでいます。

維持している状態や、完成に近付いている行動を、一瞬一瞬に分解し、その小さいひとつひとつを、小さい「ソゥ」で褒めている状態、という考え方です。

アイコンタクトしている犬の目の前3~5センチくらいのところに、さっと指先を出して「これ」とか「タッチ」とかの言葉をいうと、犬は、集性的に、「これはナンジャイな?」って感じで、鼻先をその手に近付けます。

実際に犬の鼻先と、ハンドラーの指先がさわったところで、「ソウ」とか「イエス」とかの言葉を言い、ご褒美。これで、ターゲットすることをまず犬に教え、経験してもらいます。

そして、タッチができる様になったら、タッチしている状態を教えるため、一瞬以上の時をタッチできたら、その間は「ソゥソゥソゥソゥ・・・・」を言い続け、よくできましたの意味で大きく「ソゥ」、ご褒美。

その次は、タッチしようとしている状態を「ソゥソゥソゥソゥ・・・・」で誘導し、動作の完成地点まで引っ張り、大きく「ソゥ」、ご褒美。

これは、BnTのKayce Coverさんの提唱する方法です。このターゲットの教え方は、もしかしたら、他のターゲットの教え方と少し違うかもしれません。

私が、この教えかたで面白いなと思ったのは、ハンドラーの指先と犬の鼻先は、互いに近付きあって真ん中でさわるという点です。

Kayceは、ハンドラーからの働きかけを積極的に行い、そこに、動物も反応する、作用反作用の様な考え方です。Kayceは、彼女の方法を、2方向コミュニケーションを可能にすると言っていますが、そのベースとなるターゲットの教え方に、既に、2方向、の考え方が織り込まれていて、とても興味深いです。
                            kuro

2005年08月08日 18:25

フリースタイルのmoves は、犬の動作をほめることにより、その行動を強化してゆくことで教えることができます。

強化するために、おやつやおもちゃで遊ぶ等のご褒美を使うのですが、このご褒美は、曲者です。

アジリティのハードルをジャンプするとか、フリスビーをキャッチするとかは、そのこと自体がご褒美となっていることが多く、ジャンプやキャッチにはご褒美はなくても、犬達は喜んでこなしてゆきます。ただし、もちろん、タッチ障害を踏むことや、スタートで待つことなどは、ご褒美を使って教えないといけない場合もあるのですが。

フリースタイルでは、犬に教えるmovesは数限り無く、それ自体が御褒美となりうる程、犬の本能部分にうったえるようなものでもなく、また連続してそれだけを繰り返すものでもないので、御褒美は重要です。

又、御褒美は、それを提供するハンドラーに対する注目、集中をより強化できるものですので、上手に使いたいです。

ご褒美が曲者なのは、ともすると、犬が、ハンドラ-がご褒美を持っている時は意欲的に動いてくれるけど、無いと、極端にやる気がさがる、ということが起きやすいという点です。

私達人間も、仕事の後のビールが待っている時や、ボーナス前、休暇の前には、なんとなく、心弾んで必死に仕事を終わらせようとする、そんなことと似ています。

解決策はいくつかある様なので、いろいろ試してみるといいと思います。

1・ご褒美は、手に持たない。

  たとえば、いつも、ご褒美置きボックスの様な物をトレーニングする場所の近くに置
  き、必ずそこまで行ってご褒美を与える。ハンドラ-が身につける場合、少なくと
  も、トリーツバッグやポケットにしまっておくこと。

2・ご褒美に繋がる言葉を決める。
  
  できたことに対し、「よくできました」という言葉を決め、その言葉を必ず言う。最
  初、この言葉、例えば「ソウ」「イエス」「エクス」など、を良いことと犬に覚えて
  もらうには、「ソウ」おやつ「ソウ」おやつ、を繰り返す。

  「ソウ」を聞いて、犬の目の色が変わる様になったら(すぐなります)「ソウ」おや
  つの時に褒め言葉や、頭を撫でるなどを加え、「ソウ」自体が犬にとっての強化子と
  なるようにする。

3・ご褒美は、ランダム回数ごとに与える。

  御褒美を、何か一つのmoveに対し、常に与えていると、でてこない事が数回続いた
  だけで、犬は、やる気がなくなる事もあります。これは、毎回与える事により、犬に
  「必ずでてくる」と思わせてしまっているためで、犬にとっては約束された事になっ
  てしまうことも多々あるようです。

  これでは、ハンドラーに対する信頼をそいでしまう事になりかねません。

  できたことに対し、よくできましたの言葉は「必ず言う」けれど、ご褒美は(食べ物
  やおもちゃ)は毎回でなく、そのかわり、与えない時には、言葉で褒めたり、頭を撫
  でたり、あるいは、サラッと流してしまって次に行ったり。犬の気持ちが、それない
  様に気をつけること。

4・ただし、引きずり過ぎない。

  どんな動作でも、最初の1歩はゼロからですから、一番苦労します。バックやサイド
  のステップは、3歩、4歩、5歩くらいまでは、連続させるのは難しいのです。ここ
  では、頻繁に、大袈裟に褒め、ご褒美もとびきりの物を使います。

  ただ、ハンドラ-が見きわめを間違えて、ご褒美無しで引きずり過ぎると、犬の気持
  ちがそれたりします。(なんだ、ボーナスが出ると思っていたのに、今年の夏は、
  ボーナス無しらしい・・・というので、ちょっとやる気がなくなるような感じ。)

5・バックチェイニング

  シークエンスの練習においては、最後のご褒美が出てくることだけでご褒美、そのひ
  とつ前から初めて最後までやってご褒美、といった形で、最後のご褒美に向かって繋
  げてゆく練習をすると、犬の意欲を持続でき、しかも、ご褒美の無い時間を長くする
  練習にもなります。
                               kuro


2005年08月06日 18:09

犬がその場で、ひとまわり、クルンとまわる動作ースピンの教え方として、ハンドラ-が、ての先で犬の動きを誘導する方法があります。

犬の鼻先で、手を犬の動きを先導する様に動かし、犬は、ハンドラーの手の先について動くことになります。

手に、食べ物やおもちゃを持っていると、犬をそれに釣られて動く様になるのですが、これは、実は、ちょっと注意が必要です。

手に食べ物やおもちゃを持っていると、犬の気持ちは、それに集中してしまい、ハンドラーに対する集中とはいえ無くなってしまう場合もあります。手の中の物に、気をとれてている状態に近くなってしまいます。


ハンドラーと犬の動作としては同じ様な教え方でも、考え方として「釣る」のではなく、ターゲットさせるという考え方があります。

この場合は、犬は、ハンドラ-が手に持った物に釣られるのではなく、ハンドラーの手をターゲットして(目標として)、積極的に動く、というわけです。


ターゲットに関しては、犬のどの身体の部分でターゲットするか、また、犬は、どこに向かってターゲットするか等、いろいろと組み合わせられるのですが、まずは、犬の鼻先を、ハンドラーの指先にターゲットすることを教えると、そこから、いろいろなことを教えられる様になります。

Syn Alia Training Systemsの提唱している Bridge and Target では、このターゲットの考え方を、非常に広範囲で使っています。
                                kuro 続きを読む

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