2006年07月

2006年07月27日 11:35

フリースタイル/ヒールワークトゥミュージックのイギリスのスター、マリー・レイさんは、実は、イギリスのオビディエンスのスターです。

HTMのトレーニングビデオのもっと前に発表された彼女のオビディエンスのトレーニングビデオを見ると、彼女は、クリッカーを使っていませんでした。しかし、HTMのビデオの(確か)2巻目から、彼女はクリッカーを使いだしています。

その中で、彼女は、クリッカーをたいへんに有効なツールとして紹介し、実際に、彼女のシェルティにフリーシェイピングのトレーニングをしているところを紹介しています。


興味深いのは、そこで彼女が、新しいトレーニング方法を用いる事について、彼女なりの意見を述べているところです。

  新しいトレーニング方法を用いる事を嫌うトレーナーはたくさんいる。
  新しい方法をトライする事で、今まできちんとトレーニングできていた
  「犬が壊れる」可能性があると、人々は言う。
  しかし、私(マリ-)は、新しい事を導入する事を恐れない。
  もし「犬が壊れた」ら、修復すればいいことだ。

すごいですね。トレーナーとしての経験と、自分なりの考え方と、能力と、そしてその結果としてトレーニングしてきた犬達の素晴らしさに裏づけされた自信を、ここに見る事ができます。

彼女は、本を読んだり、いろいろな難しい事を聞いたりするのは苦手だそうで、でも、トライしてみて、疑問を感じた事は、よりはやくクリッカーを使い始め、彼女に教えてくれた Kay Laurence に質問したり、また実際のトレーニングを見学したりの試行錯誤をすると言っていました。

疑問を感じる事自体、経験と実績があるからこそ生まれる事なのでしょう。疑問は重要です。

どうしてうちの犬は、この方法でうまく行かないのだろう?
自分のどこに間違いがあるのか?
そして、用いてみた方法の、どこに、現実目の前にいる犬の学習と矛盾があるのか?
あるいは、なぜ、この方法はうまく行って、以前の方法ではうまく行かないのか?
なぜ以前の方法ではうまく行ったのに、この新しい方法ではうまく行かないのか?

(どうしたら、犬が質問に答えるだけでなく、私に質問を返してくれるのだろう?
 質問に答える事を教え続けるから、答えしか返してくれない、ということなら、
 質問する事を教えたい・・・。)


クリッカーに関しては、彼女自身も述べているように、マリー・レイさんは後発者ですが、しかし、クリッカーを使った彼女独自の方法と言う事で、Mary's Way シリーズの一つとして、クリッカートレーニングのビデオを発行されています。(私は見ていないのですが・・・)
                              kuro


2006年07月26日 18:19

オペラントコンディショニングによる学習をベースとする learning theory とは、ある意味、やってみて、うまくいったら好い事が起きる、うまく行かなかったら好い事が起こらない、という事なのです。

自閉症の生物学者 Temple Grandin は、自閉症の人と動物は、同じようなもののとらえ方をすると、昨年発行された彼女の著書 Animals in Translation の中でのべています。言葉ではなく、visionによる認識が強いのだそうです。

この著書の中で、彼女は learning theory について、上記のように書き、だとすると、野生動物の学習は、この理屈ではあり得ないといっています。なぜなら、うまく行かなかったら他のことをやる、というのでは生き残れない、というのです。

確かに。

ライオンの姿を見て逃げない草食動物には、次にトライはあり得ない。

では、なぜ、ライオンの姿を見た鹿は逃げるのか?

どうやって学習するのか?

他の鹿を「見て(観察によって)覚える」のだというのです。

この方法を原理とした、social modeling theory を使って言葉を学習させたオウムは、色の概念を理解し、英語の単語が一つ一つのアルファベットから構成されている事をも勝手に理解し、スペルを言ってのけ、質問をもするそうです。(

そう言えば、ディヴォもダダもずいぶん、観察から覚えた・・・。
その学習に対し、別に、彼等は、何も報酬を得ていない。
むしろ、その学習は、自己満足の世界とも言えるかも。


ん~・・・犬の場合、どうやったら、質問してくれるようになるだろう?
                                kuro



2006年07月21日 20:00

普段の御散歩道を普段と変わらず歩いていると、ダダが突然止まり、ボーダーコリー特有の「eye」の姿勢に入りました。視線の先を追うと、車の下に、猫チャンがこちらを凝視して疼くまっていました。

なぜに突然・・・。


今までお兄ちゃんが全ての行動基準だったダダ。お兄ちゃんが無視する物体は全て無視してきました。

よそ様に対して愛想をふるまうのも、お兄ちゃんが全てやってくれていました。御挨拶する必要はなく、ただ後ろにいて、自分のことだけを考えていればよかったのです。

散歩の道筋の情報を嗅ぎ分ける必要もありませんでした。だって、お兄ちゃんがいるのですもの。

お兄ちゃんがいなくなり、彼女は自分也に考え、人様にも「ダーちゃん、御挨拶してらっしゃい」といわれればゴアイサツができるようになりました。歩いている時にも、廻りの出来事に注意を払うようになりました。

事務所でも、今では、かつてディヴォがやっていたように、ミーティングには、必ず参加しています。カタログを持ってきたメーカーの営業マンの説明にも、耳を傾けています。

そして、最近、この世の中には「猫」が存在していて、自分が「eye」する対象として十分の素質を持った物体だという事に、やっと気がついた、というわけです。

ディヴォの判断基準ではなく、自分の判断基準を持つようになったという事でしょうか。


友達は、そんなダダを、「ダーちゃんは、今、「犬」になるお勉強をしている」といいました。
                               kuro

2006年07月19日 14:05

初めてキャロリン・スコットとあった時、彼女が大変に小柄な事に驚きました。彼女とルーキーとのフリースタイルを見ている限り、キャロリンがそんなに小柄とは思えなかったのです。キャロリンが言うには、ルーキーは、ゴールデンとしては、たいへんに小柄なのだそうです。

イギリスの男性のフリースタイラーで、一緒に踊るボーダーコリーが立ち上がって後ろ足だけで立った時、その頭が、ヒトのウエストまでもこない人がいます。

人と犬の関係は、実に相対的なものです。


Intelligence of Dogs という本を、「できの良い犬悪い犬」という日本名をつけて翻訳をし出版した翻訳者と出版者の意図が何であったにせよ、いまだにボーダーコリーは一番頭が良い、と言ってはばからないマスコミが多いのです。しかし、あの、頭のよい犬ランキングは、ある特定の命題を、どのように解決するかによってつけられたものだという事に、いいかげん、マスコミは気がついて欲しいと思います。

最近、同じ事が、躾の方法論でも言えるのではないかと思う事がありました。


多くのボーダーコリーがそうであるように(っと書くと、なんとなく言い訳じみていますが)、うちのダダは、ものすごい引っぱり屋です。最近は、ちょっとよくなりましたが・・。

そのダダが、私が大きな重い荷物を持っている時は、あまり引っ張りません。引っぱれませんとも言えるかも。

引っぱりをなおすには、人がリードを引っ張って、犬の首にショックを与えて引っ張る事をイケナイと教えるという方法論に対し、そのような「体罰」を与える必要はなく、引っ張る犬に対しては、突然止まって動かなくなれ、という方法論があります。


時速4kmで歩いている時に、私が彼女の引っ張る力を感じて突然止まったら、彼女の首には私の体重に時速4kmを乗じた力が加わります。

私の腕が、リードを引っ張った時、犬の首に加わる力はどのくらいでしょう?

では、例えば、アメリカ人の、体重が私の2倍の人が、同じように時速4kmで歩いている時に突然止まったら、犬の首に加わる力は、私が突然止まった時の2倍です。犬は、私の時の2倍の力を感じるわけで、犬の首にかかる負担が2倍という事です。

つまり、私が一瞬のうちの反対方向へ時速4kmで歩き出す時に犬の首にかかる負担と同じなのです。私の2倍の体重のある人は、ただ止まるだけで、これだけの力を犬に与える事ができるのです。


引っ張るダダのリードを私が引っぱり返す事と、私の体重の2倍の人が単に止まる事、どちらが犬の首に負担のかかる「親切でない」方法なのか、ちょっと、よく考えてみる必要があるかも、っと、重い荷物を運びながらダダと歩いて、漠然と思ったのでした。
                              kuro


2006年07月14日 19:01

優秀なトレーナーは、どんな犬にも、どんな事でも教える事ができる、と言われています。

それが真実として、、、

一番難しいのは、、、っというか、もしかして、優秀なトレーナーにできない事があるとすると、「犬が楽しそうにみえる」様に「ふるまう」事を教える事かもしれません。
                                  kuro



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