2004年02月24日 11:50

むつごろう王国が東京に進出2

昔、某市のまちづくり団体がイベントで「ビオトープ」をするっていうわけ。
イベントでビオトープ?いまいち意味が解らなかったんだが、取材にいってみて理解できた。

子供たちが、水槽の中の魚とかをさわりちゃんこしてる。この企画を企てた人は自慢げに言った。

「自然とふれあうことがなくなった今、こういった場所でふれあうことが教育なんですね」

つまり、タッチングプールとビオトープを勘違いしてるのだ。子供たちも大人たちも、まるでUFOキャッチャーのおもちゃのように魚をつかみ、プールからあふれた魚は誰かが踏んづけたみたいで、腸がにゅるりんと飛び出していた。

作家のカイコウさんは、アラスカかどこかの自然の中に身を置き、湖ではねた魚を鳥が捕りb、その鳥をさらに大きな鳥が捕る様子を見て「輪廻、それは目視できるのである」と書いている。

自然とふれあうってことは、そういうことだと思える。そこには死ってもんが身近にあるし、ましてやそれを劇場風に演出してみても、UFO キャッチャーと変わらない。

で、自然とふれあうなんていうことは本来そういうことだっていうのは、ムツゴロウ自身が自分の著書の中で何回も書いてることじゃねーか。

さて、生活のために何かを売り渡すというのは、金額の大小の差こそあれ、資本主義の世の中ではあたりまえにあることだ。だからこそ、昔から「魂まで売るのか」なんていう言葉がよく、文学や映画などのつくりものの世界で語られてきた。

でも、その売る「魂」に価値があるのなら、たとえば青臭いロマンや、実現不可能と思われる夢でさえ、それは金になるはずだ。

・・・(ましてや、文学や映画はそういった世界であるはずだ)

Mパテー商会、今の「日活」の創業者は、滞在中のホテルの訪れてきた名もないみすぼらしい中国人の青年に革命の資金を提供した。やがてその資金の提供のため、Mパテー商会は負債をかかえ倒産するが、そのロマンを金に換え、金をまたロマンに換えるという精神は、「日活ヒーロもの路線」の映画に色濃くでている。

海外では民間の宇宙船建設に、投資する奴もいる。それは金が金を産むという投資の形ではなく、その無謀なプロジェクトのたったひとつの吸引力である「夢」に金をはらっているのだとしか思えない。

売る魂に、価値があるなら、本来それは金にならなければならない。

しゃて、メディアの力と大衆の力を過信した道化は、どんな夢を見せてくれたか?
それは、本人の書くところに生命力の輝ける美しさでもなく、あらゆる生命との輪廻・・・つまり関係でもない。ただたんなる「かわいい」という本人の望まぬ大衆の意識だけだったということではないだろうか?

売る魂に価値がないのか、それともそれを買う人間に価値がわからないのか、いやむしろ、そんなことはどうでもいいのだ。自分の姿が見えない、もしくは自分の姿を見ない道化である「はだかの王様」ほど、かっこ悪いものはない。

いずれにせよ、ムツゴロウブランドを取り巻く商業主義は、現在の日本を始め、多くの国で横行しているポスト商業主義の王道をいく、「大衆をいかに騙すか」というものであることは間違いなさそうだ。

この穴のあいた風呂敷に乗っかるバブルを夢見るガリンペイロたちは、多くの混乱を巻き起こすだろう。

さて、そのとき「はだかの王様」はどのような責任をとれるというのだろうか?
まさか、年でお亡くなりになりましたとか、ライオンに喰われましたってオチではないだろうな・・?恐るべし・・・。(西鶴)

トラックバックURL

コメント一覧

1. Posted by 美穂   2004年11月07日 07:47
はじめまして。私は獣医師を目指している学生です。ムツゴロウ王国の東京進出には最初から危惧しておりました。どんな所なのか先週、偵察に行きましたが、それは哀しみだけを与える世界でありました。入場口では無理矢理のクレジットカードの勧誘。お断りすると嫌みを言われました。私が訪ねた日はお客の多い日曜日であり、池にはヘドロが浮き、大量の鯉が人間からの餌を求め、餌を与えないでという小さな忠告は観光客には伝わっていませんでした。レストランには猫がいて、調理する人間が身体を触っていました。身体の不自由な動物が暮らす施設では、足をひきずった猫を子供が踏んでいたり、寝たきりの犬がけいれんを起こしているのに、従業員は感心がなく、大変に不衛生でした。外で放し飼いにされている犬の健康状態も良くないものが多く、従業員に病気のことなど聞いても、あいまいな返答。王国には専属の獣医師がおらず、病気になった段階で何軒かの獣医師に診てもらって原因不明でそのままにしているそうでした。毛のない犬に関する説明もいい加減で、面倒臭そうにされたことにも驚きでした。動物管理の不十分さ、知識不足、素人の集団に驚きと哀しみを感じ、このまま営利目的だけで王国が大きくなっていくことに胸が痛みました。何もかもが中途半端な状態に憤りさえ感じました。また数年したら、偵察に行こうと思いますが、彼等の気持ちの改善を強く求めます。人間と動物の触れ合いを勘違いしている集団として受け止めております。

コメントする

このブログにコメントするにはログインが必要です。

[リズミックポー] トレーニングDVD by Dr Attila
フリースタイルの様々なポジション、
ステップやムーブの教え方を解説。
日本語版は、UKドッグアカデミーへ。
最新コメント
月別アーカイブ
記事検索
  • ライブドアブログ