2005年08月08日 18:25

ご褒美

フリースタイルのmoves は、犬の動作をほめることにより、その行動を強化してゆくことで教えることができます。

強化するために、おやつやおもちゃで遊ぶ等のご褒美を使うのですが、このご褒美は、曲者です。

アジリティのハードルをジャンプするとか、フリスビーをキャッチするとかは、そのこと自体がご褒美となっていることが多く、ジャンプやキャッチにはご褒美はなくても、犬達は喜んでこなしてゆきます。ただし、もちろん、タッチ障害を踏むことや、スタートで待つことなどは、ご褒美を使って教えないといけない場合もあるのですが。

フリースタイルでは、犬に教えるmovesは数限り無く、それ自体が御褒美となりうる程、犬の本能部分にうったえるようなものでもなく、また連続してそれだけを繰り返すものでもないので、御褒美は重要です。

又、御褒美は、それを提供するハンドラーに対する注目、集中をより強化できるものですので、上手に使いたいです。

ご褒美が曲者なのは、ともすると、犬が、ハンドラ-がご褒美を持っている時は意欲的に動いてくれるけど、無いと、極端にやる気がさがる、ということが起きやすいという点です。

私達人間も、仕事の後のビールが待っている時や、ボーナス前、休暇の前には、なんとなく、心弾んで必死に仕事を終わらせようとする、そんなことと似ています。

解決策はいくつかある様なので、いろいろ試してみるといいと思います。

1・ご褒美は、手に持たない。

  たとえば、いつも、ご褒美置きボックスの様な物をトレーニングする場所の近くに置
  き、必ずそこまで行ってご褒美を与える。ハンドラ-が身につける場合、少なくと
  も、トリーツバッグやポケットにしまっておくこと。

2・ご褒美に繋がる言葉を決める。
  
  できたことに対し、「よくできました」という言葉を決め、その言葉を必ず言う。最
  初、この言葉、例えば「ソウ」「イエス」「エクス」など、を良いことと犬に覚えて
  もらうには、「ソウ」おやつ「ソウ」おやつ、を繰り返す。

  「ソウ」を聞いて、犬の目の色が変わる様になったら(すぐなります)「ソウ」おや
  つの時に褒め言葉や、頭を撫でるなどを加え、「ソウ」自体が犬にとっての強化子と
  なるようにする。

3・ご褒美は、ランダム回数ごとに与える。

  御褒美を、何か一つのmoveに対し、常に与えていると、でてこない事が数回続いた
  だけで、犬は、やる気がなくなる事もあります。これは、毎回与える事により、犬に
  「必ずでてくる」と思わせてしまっているためで、犬にとっては約束された事になっ
  てしまうことも多々あるようです。

  これでは、ハンドラーに対する信頼をそいでしまう事になりかねません。

  できたことに対し、よくできましたの言葉は「必ず言う」けれど、ご褒美は(食べ物
  やおもちゃ)は毎回でなく、そのかわり、与えない時には、言葉で褒めたり、頭を撫
  でたり、あるいは、サラッと流してしまって次に行ったり。犬の気持ちが、それない
  様に気をつけること。

4・ただし、引きずり過ぎない。

  どんな動作でも、最初の1歩はゼロからですから、一番苦労します。バックやサイド
  のステップは、3歩、4歩、5歩くらいまでは、連続させるのは難しいのです。ここ
  では、頻繁に、大袈裟に褒め、ご褒美もとびきりの物を使います。

  ただ、ハンドラ-が見きわめを間違えて、ご褒美無しで引きずり過ぎると、犬の気持
  ちがそれたりします。(なんだ、ボーナスが出ると思っていたのに、今年の夏は、
  ボーナス無しらしい・・・というので、ちょっとやる気がなくなるような感じ。)

5・バックチェイニング

  シークエンスの練習においては、最後のご褒美が出てくることだけでご褒美、そのひ
  とつ前から初めて最後までやってご褒美、といった形で、最後のご褒美に向かって繋
  げてゆく練習をすると、犬の意欲を持続でき、しかも、ご褒美の無い時間を長くする
  練習にもなります。
                               kuro


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