2006年06月09日 19:24

強制したらほめる

一つ前の記事のコメントであみKENさんから「呼んで来ない」が「ノー」である事を教えるのにはどうしたら良いでしょう??」という御質問をいただきました。

これに対するお答えは、すごく簡単で、「呼ばれたら来る」ことを教える、ということなんです。

いやいや、それが難しい事だから、「呼び戻し」常に大きな問題なのですよね。

問いを変えて、「呼ばれてもこない犬には、どう対処するか?どうやって、呼び戻しをしっかりとしたものにするか?」

このお答えが書いてあったのが、一つ前の記事「よびもどし」で紹介した、カレン・プライアーさんのサイトの記事なのです。

なんて言っていると、堂々回りになりそうです。


いつも思うのですけど、「やってはいけない事」をいけないと教えるより、「やるべき事を教える」方がずっと簡単です。だから、いつも、やるべき事を教えてきたと思うのです。

今一生懸命、自分はどうやって呼び戻しを教えたのだったっけ・・・?と思い出しているのですが・・・。


ディヴォがまだ4ヵ月くらいの子犬だった時、雪のなかの山小屋の庭で、そのまたお兄ちゃんだったダッシュと追いかけっこをして、2頭で走り去った事がありました。ダッシュは、このつきまとう、煩わしい子犬を振り切りたかったのでしょうね。

圧雪された道路を足跡をたどってゆくと、除雪されたメインの道路へ向かって行った事が解りました。

「くっそ~っ」山のなかとはいえ、除雪されたメインの道路は車が走ります。ダッシュは帰ってくるのは解っているのですが、ディヴォはまだ子犬、ダッシュにちゃんとついていればいいのだけど、ダッシュが振り切りにかかったら・・・・。

メインの道路へ続く急な圧雪道路をよろめきながら必死に登ってゆくと、登りきるその向こうから、子犬のディヴォがとぼとぼと姿を表しました。私とディヴォの目があいました。

ディヴォは私を見ると、一瞬、きびすを返そうかどうしようか、と言う表情を見せました。そして、彼の目は、私の表情を測っていたと思います。

自分の頭のなかが、ものすごい速さで回転したと思います。その時の光景は、今でも覚えています。頭のなかで、何をどう考え、何をどう判断したかと聞かれれば答えられないのですが、私は一つの行動を選択した、という事だけは覚えています。

「ディーちゃん、オリコウさん、イイコねー、ママのところへおいで」

ディヴォの目は、パッと明るい表情になって、必死でこちらへ走ってきました。


ダダは、ターンバックのところで書いたと思うのですが、やはり、子犬の頃、ラブのアークがボールを追い掛けるのから目を離せず、す~~~~ッとついて廻って遊んでいました。帰ろうとして呼んでもきません。

っで、私は、そこまで行って、彼女を「get」したわけです。ついでに、リードを2本繋いで、ロングリードにして彼女に繋ぎ解放。アークのところへ戻ろうとした彼女に「コイ」と行ってリードを持って走りました。

走って走って、彼女の気持ちを私に惹き付け、誉めて誉めて、そして、またアークのところへ一緒に走ります。


私は物理的な力を使う事は、使い方と時と場合によっては有効な事だと思っています。スポーツのフォームの練習で、コーチが姿勢を直してくれる時、物理的な強制力を使うのと同じように、物理的な力を使います。

但し、物理的な力を使って強制したら(強制するのは私が望む行動です)、「ほめる」。強制されていようが、自発的であろうが、犬がとった行動が私が望むものなら「ほめる」、つまり、強化する、という事です。

物理的な強制力を使って「叱る」はやりません。

犬をつかまえたら「ほめる」。

叱るのだったら、逃げられる状況で叱る、と思う。


「~~しない事をノーと教える」のは、私は有効な方法が解りません。

「~~する事をノーと教える」、例えば「噛む事はノーと教える」とか、「飛びつく事をノーと教える」というのは方法を考えられますが・・・。どなたか???
                              kuro

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コメント一覧

5. Posted by あみKEN   2006年06月15日 22:46
kuroさんこんばんは!
そうですね~
とても勉強になりました!
ありがとうございます!
4. Posted by kuro   2006年06月14日 19:10
あみKENさん、こんにちは。
犬には、人が褒めている事を嬉しいと感じるようになって欲しいですね。
犬同士のコミュニケーションだって、やっぱり培われることのようです。褒められるのではなく「良い事が起きる」、という事によって。
行動学的には、motor patternと呼ばれるその動物特有の行動様式に関しては、その行動をする事によって「気分がいいfeels good、安心する」のだそうで,その行動をする度に強化されるそうです。ボーダーコリーが目をつけて忍び寄る、とか、ポインターがポイントするとか、あと、ピョンッと前足をそろえて目標物に飛びつく行動とか・・・。
では~。
3. Posted by あみKEN   2006年06月13日 08:44
お返事ありがとうございます(^^)
やり方は人それぞれ犬それぞれですね~
犬は人の心を読みますから、「本当に自分の事を考えてくれているのか」とか、「大変な事なのか」とか、「絶対やめさせるとオーナーが思っているのか」とか、解るのでしょうね。
そこら辺は理論では片付けられない所なのでしょう。
駄目なものは駄目と一貫した態度で望むのが良いと思っています。
抽象的ですが・・・
やり方はその子やオーナーとの関係で違ってくるのでしょうね~
若い頃は人間でも犬同士でも叱られる事が多いですから、まぁそんなものかなと、私は思ってしまいますが・・・
中には「褒められると嬉しい」というベースが出来ていない子もいますしね;;
ただ、犬同士でモノを覚える時は褒められるというベースは無いはずですが、相手の感情は匂いや鼓動の音やテレパシー?で判るのでしょうかね?
とりとめも無い文ですいません;;
2. Posted by kuro   2006年06月12日 17:30
犬との暮らしって、特に若いうちは、なかなか「ダメ」ばっかりじゃないですか?
「ダメ」ばっかり言っていると、どうもこちらの気分が落ち込んでくるので、「ダメ」じゃない時は、ぜ~~んぶ「イイコ」にして、収支をあわせる事にしたんです。
http://blog.drecom.jp/caninefreestyle/archive/19
あみKENさんの「あー、誰だ悪い子は」は、私の「オリコウさんにしてね」と同じかもしれないですね。
「よびもどし」のクリママのコメントは、「~~しない事をノーと教える」ですね。そういやあ、私も、似たような事をやりました。
「コイ」といってもこない時、無視しているのか聞こえないのか、はたまた、きちんと解っていないのか・・・?誉めるにしろ、叱るにしろ、それが解らないと、犬はどうして褒められた/叱られたのか解らないですね。
「get」される事を嫌がったり怖がったりしないためには、私は、やっぱり、「get」で叱るはやらないと思います。「get」したら、やっぱり誉めちゃうなぁ~・・・。
こちらの言う事に反応してくれない時は、教えたつもりのコマンドが、実はきちんと伝わっていなかった(教えたつもりのことと、犬が覚えた事が違う)と考える事にしています。私とうちの犬の場合、そういう事は、様々あったし・・・。ケン・マッコートさんの言葉を借りると、「深く反省してやりなおすべし」でやり直します。
では~。
1. Posted by あみKEN   2006年06月09日 23:29
あー・・スイマセン。
もちろん、やるべき事を教えるのは大前提ですし、叱らないですめばそれに越したことは無いです。実際私も1000褒めて叱るのは1くらいでしょうか?今はそんなに無いかも・・・
今はティマは、1回呼んで来なかった場合、「あー、誰だ悪い子は」なんて言うと来ます(笑)
雪山での話し、私も同じ判断をしていたと思います。
ただ、もし走り去っている瞬間に捕まえられたら、叱っていると思います。
そしてもちろん、物理的にでも何でも、もう一度呼んで来させて、褒めまくります。
>但し、物理的な力を使って強制したら(強制するのは私が望む行動です)、「ほめる」。強制されていようが、自発的であろうが、犬がとった行動が私が望むものなら「ほめる」、つまり、強化する、という事です。
もちろんそうだと思います。
>犬をつかまえたら「ほめる」。
これだと、「呼ばれても行かない」→「相手が来て褒めてくれる」になりませんか??
>叱るのだったら、逃げられる状況で叱る、と思う。
シャイな子なんかは逃げられない状態で叱ったら、信頼関係ぶち壊しですもんね。
>「~~しない事をノーと教える」のは、私は有効な方法が解りません。
私も判りません。
私がお聞きしたのは、「呼ばれても無視する事」を「ノー」と教える事です。
って、言葉尻の違い??
こういうディスカッションは楽しいですね。とても有意義です。

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