2018年06月20日 15:58

辞書を作る

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犬のトレーニングは、犬と自分の共通言語の辞書を作る作業だ、と私はいつも思っています。

その過程では、犬と人は、時間と空間を共有し、そこから辞書を作り上げてゆくことで、共通言語が生まれ、コミュニケーションが成り立つようになります。

その作る過程が楽しければ、犬はその作業に集中し、参加意欲も生まれる、エンゲイジメントが生まれるのはそういう過程からだと思うのです。


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ドッグスポーツは、アジリティにしろ、フリースタイルにしろ、そしてオビ競技にしろ、目標を持ちやすいし目標を明確化しやすい。なので、ただ、辞書をつくっていくよりは、作業をシステマチックに構築しやすい。

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ただ、それは人間の側の都合で、一緒に参加しているはずの犬が望んでいるかどうかわからない。

犬は、人とは違います。人の社会の都合は、犬にとっては恐怖でしかない場合もあるし、犬の自然な行動が人社会では不都合だったり危険行為だったりもする。

特に競技会の場などは、犬にとっては迷惑千万な場合もあるわけで、犬がその場で、作業にエンゲイジし、パフォーマンスをやり遂げられるかどうかは、作り上げてきた辞書とは、また違う問題。なぜなら、作った辞書は犬の行動と人の言語を一致させる作業だから。

ちょっと前まで、いや、もしかしたら、今でも、日本では、競技会場で犬が積極的に作業に参加できないことを「義務感」が足りない、などという言葉を使って表現することが多く見られます。

この「義務感」という言葉を発する場合、犬に対して「できないこと/失敗したこと/きちんと理解していないことに罰を与える」行為が行われているようで、そこに私は、非常に、危機感を感じています。

できなかったり、間違ったりするのは、単に一般化がなされていないだけであり、競技会場での意欲の喪失は、馴致の不足や、作業意欲の育成を行わないことによるのではないかと、思います。

報酬ベースのトレーニングで競技に勝てないのは、この方法論の間違えではなく、エンゲイジメントを育むプログラムがおろそかにされてきているから、、、

なんとか、この部分に関わっていきたいと思っています。

そして、トレーニングの結果を犬が自信を持って発揮できるようになってほしい。


 


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フリースタイルの様々なポジション、
ステップやムーブの教え方を解説。
日本語版は、UKドッグアカデミーへ。
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