2019年11月28日 18:35

Animal Welfare

FCIのWC2019では、多くのルーティンが、Animal Welfareの得点からかなりの点がひかれました。3人のジャッジからのそれぞれ満点3点ずつの、合計9点の満点を取った演技は、ほんの一握り。 HTMの優勝演技も減点されていて、「世界のトップフリースタイラーが皆こんなに減点されるって、このスポーツ、大丈夫?」というようなコメントをFBに残したFCIジャッジがいたことを興味深く感じました。

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Animal Welfareって何?については、FCIは、審査員のための審査基準のガイドラインを発表していて、そこに明記されています。

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4-4 アニマルウェルフェア
この項目において、競技者の得ることのできる得点は最高3点
次にあげる観点が考慮される
・ルーティンは、犬の特質(犬種、個体の特徴、身体的能力、精神的能力など)をよく表していること。ルーティンを構成するにあたっては、ハンドラーは犬にとって可能な行動であるかを検討し、犬にに有害であったり不快感(痛み)をもたらすことを要求しないこと。犬が過度なストレスを表現してはならない
・犬の健康と安全について。
犬の身体的な構成を考慮して、取り入れる行動を選択すること。同じ行動を過度に繰り返してはならない。犬の怪我に繋がるような動きを演技してはいけない。ルーティンを構成するにあたっては、リングの床の状態、及び犬の個体のスピードを考慮する必要がある。小道具やハンドラーの衣装は、犬にとって安全なものであること。
・パートナーシップ
もし犬が、演技をしているどの段階においても、精神的、肉体的に困難な状態になるときには、ハンドラーは、すぐに、犬を助ける行動をとること。
__________________________

(そこには、もちろん、Animal Welfareに関することだけでなく、すべてのルールについて、世界中の審査員が皆同じ解釈で審査ができるようにとして設定されたガイドラインですので、審査の基準は、ここにあると言ってよいでしょう。FCIのホームページからダウンロードできます(英語)。)

昨年までは、このAWからはほとんで減点されない、というのが、一般的な解釈だったような気がします。

日本でも、FCIルールを採用している競技会では、犬がすごくストレスを感じているような場合に減点されていましたが、今回のWCのように、ほとんどみんな減点対象、というようなことはありませんでした。

AWに関することについては、2000年ごろ、メーリングリストがネット上のコミュニケーションツールとして台頭してきた頃、盛んに議論されていたのを思い出します。

有名なティナ・ハンフリーのチャンディの2足歩行に対する批判。ルーティンのほとんど、後ろ足で作業しているってどうよ?

その後、逆立ち? でんぐり返しを犬にさせるのは? 3点倒立? ハンドラーの肩より高い位置に犬を乗せての犬の作業は?

イギリスのメーリングリストでは多くの議論がありました。

リチャード・カーティスが、犬が後ろ足をハンドラーの体にあげる形のスタートポジションを取った時、大いに批判されました。

でんぐり返しや三点倒立の犬のハンドラーは、イギリスのクラフトではそれらを封印していましたが、タレント発掘番組、Britain's Got Talentでは、ハンドラーの頭の高さより上の綱渡りをさせて優勝しました。その当時、イギリスHTM界からは大きな批判は聞こえてきませんでしたが、先日、偶然、ダンスとは関係ないシープドッグのハンドラー達がその綱渡りをよく思っていないことを知りました。私はホッとしました。

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こういうことを禁止するという意見が出るたびに、様々な意見が聞こえてきます。

2足歩行を自然にする犬がいる、勝手に逆立ちする犬がいる、危険のないようなトレーニング方法をとっている、これはスポーツだ。限界に挑戦するべき。云々。

先日のWCでAWから大きな減点を受けたいくつかのルーティンでは、ジャッジが減点対象とすると決めたであろうと想像できる部分が多く見られました。

素晴らしい能力とトレーニングをされているに違いないと見て取れる犬が、指示された行動を起こすのに、何度も躊躇していたら、AWの減点はあってしかるべきでしょう。

HTMでもほとんど満点のルーティンがなかったことからは、3人のジャッジが、皆、AWを注視していたのだろうと想像ができます。クラフトでは吠えについて、一人のジャッジが最大4点減点できます。FCIでは最大2点、今回吠えの減点はあまり見られなかったようなので、もしかしたら、吠えたことを犬の表現しているストレスサインとしてAWから減点したのかもしれません。

Animal Welfareの項目に書かれていることは、当たり前のことだと、私は思います。

今年の秋の競技会では、ディのAWは1.5。半分でした。彼の感じていたストレス、それに対処できなかったハンドラーの悪いハンドリングを考えれば、当然のスコアでした。(一貫性???だけど〜)

15年以上前から議論されてきたことは、またもう一度、いやこれからも何度も、議題にあげるべきことなのかもしれません。

議論をすることは健全です。疑問や議論を封じ込めようとすることは、私は健全な姿でないと思っています。Facebook上でAWについても、様々な意見、批判、がなされています。非常に健全です。


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