BnT

2007年10月19日

SATS in Japaneseに、その基本中の基本をアップしたSATSにおいて、私にとって一番画期的だったのは、「ボディパーツを教える。」というところです。

くつを脱いだ「うちの中」で暮らす日本では、犬が屋内で生活する場合には、日常的に「脚を洗う/脚をふく」をやっています。その時に、「おて、おかわり」などといって、無意識のうちに、犬にボディパーツの名称を教えている場合が多いのです。

フリースタイルで、前足を上げたり、後ろ足を上げたりする「ムーブ」を使うのに、この無意識のうちに教えて、犬が覚えていたボディパーツの名称は、とても役にたちました。

SATSでは、このボディパーツの名称を使って、犬(動物)に「説明する」というのです。

トレーニングに限らず、例えば爪を切る時、爪切りを持って犬の脚を掴む時に、無言でやるのではなく(ましてや、威圧的に暴れる犬を叱ったりせず)、「これから爪を切るよ。まず、『お手』から。」「はい、つぎは『おかわり』。」と、説明するのです。

SATSの方法の手順はともかく、この「名称を教えて、口で説明する。」は、日常生活で、犬の身体に触る時など、犬の不安をとても少なくしているように思います。

脚だけでなく、もっと多くの身体の名称/ボディパーツを教えると、治療の時に、応用できます。いきなり触られるより「右肩に触るよ」「左耳に針をさすよ」とあらかじめ説明されれば、犬は吃驚しないで、心の準備ができる、というわけです。


「犬は口がきけないから」なのですが、「人は言葉でコミュニケーションをとろうとする動物だ」という事を、おそらく犬/動物は理解できるのだと思います。
                                kuro



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2005年02月16日

動物のトレーニングに SATS を採用しているWood Green Animal ShelterのSueとNigelによるセミナーに出席しました。

以前、自分のボーダーコリーのトレーニングについてメーリングリスト上で質問したSueに、私はうちの犬達の経験から返事を書いたことがあります。それに対してDMをくれたSueは、こんど日本へ講演に行くと書いてきたので、私は身が縮む思いをしました。もしや、釈迦に説法をしてしまったのか???

以下は、セミナーとホームページから知ったWood Green Animal Shelter の活動の概要です。

最初は1920年代に、交通事故などで傷付いた動物を収容し、苦しまないで死なせるためたねに始まった活動が、今では、3つの施設を抱え、この国の動物福祉についてのスタンダードとなるほどの活動となったという。

全てチャリティでまかなわれるという。そのうちの7割近くは、いろいろな人が遺言で、自分の遺産の中からこの施設に残したもので、その他は、約17%が個人から、約12%が企業からの寄付となる。Wood Greenの施設の中で、最新のものは、ある個人が遺言の中で約2億6千万円をこの施設に残し、そのお金で建設されている。

持ち込まれるどんな動物も、その元の飼い主が動物を手放す理由がどんなものであれ全て引き受けるという。また、飼い主として動物を引き取りたいと申し出る人についても、ほとんど条件をつけず、どんな人にもちょうど良い動物を探し、動物を暮らしたいというその人の希望を叶えることを主旨としているそうだ。

1年間にこのシェルターに必要な経費は、約10億円だそうだ。その全てがチャリティベースでまかなわれている。

ここで働く230人ほどのスタッフに対して、シェルターは「きちんとした扱いをする」。つまり、労働に見合う対価をきちんと支払うというのだ。動物をきちんと扱うことをモットーとする施設は、当然、その働く人達に対してきちんとした扱いをするべきだと。

その他に、ボランティアで手伝いを申し出る人は、あとをたたない。ボランティアの中には、シェルターというストレスの多い環境に収容されている犬のストレスを少しでもやわらげられるよう、犬舎の中で、のんびりと犬に話し掛けて過ごす人もいる。

犬に限っていえば、平均、21日間の滞在で、犬達はこの施設をあとにする。新しい家庭へと出発する。速い場合は、手続き上必要な数日を過ごしただけで、例えば、月曜日に収容され木曜日には新しい家庭へともらわれてゆく。年中無休の施設であり、この施設を年間50万人が訪れる。

他のシェルターと連絡を取り合い、犬舎が足りないから収容できない、という様な事態をさけている。

私がどこかで行き倒れになった時に、私の自宅まで私の犬を連れにきてくれ、収容し、然るべき措置をとってくれるというスキームもある。私はそこに登録し、受け取った携帯用のカードを常に持ち歩き、自宅には、自宅用の大きなカードを壁などにかけておけばいいのだ。



今回のセミナーでは、時間がなくて質問の BnT と PM について十分な解答ができなかった講演者のSueは、あそこにいる私の友人が、日本語で説明してくれる、と段上で言い放ち、これ又偶然知り合いだった通訳が、詳しく私の風貌を説明したために、私は BnT 及び PM について、私の知りうる限りの情報を説明するはめになってしまいました。

Sue は SATS の認定されたトレーナーだけど、私は、独学で勉強した一個人、ということを皆さんにことわっての説明、、、冷や汗が出ました。少しでも理解していただけたら幸いです。

くっそ~っ!
Sorry, we've made you a lot of trouble. Maybe you need a commision, don't you?
笑いながらそうあやまっていた Nigel と Sue 。

いいえ、私は、今は、コミッションはいりません。
でも、もし、私が日本で食い付めたら、今回のコミッションとして、私を Wood Green で雇って下さい。
                           kuro

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2005年02月03日

私にとって、ディヴォは初めてトレーニングに関わった犬です。

この子がうちにきた時には、ボーダーコリーは日本に頭数が少なく、探していた時にはちょうど子犬もいない時期だったということもあり、この子に巡り会うのには、ちょっと長い道のりは必要でした。その長い道のりゆえに、やっとやってきたディヴォは、私の中に、ブリーダーさんからの「お預かり犬」の様な感じがあって、「ちゃんとイイコに育てなくっちゃ」という気持ちが、どこかに強くあったと思います。

本を読んだり、実際に犬の訓練士の方や、犬の訓練に長く関わってきた方達のトレーニング風景を見たりして、自分もやってみるのですが、なかなかうまくは行きません。そんな私とつきあったディヴォが、特に攻撃性の問題も、なにかに対する極端な恐がりも身につけずに育ってくれたのは、もしかしたら、単に幸運だっただけかもしれません。

しかし、2才になった頃にも、彼は「脚側行進」ができませんでした。脚側には来るのですが、そのポジションを維持することができませんでした。「スワレ」のコマンドに、嬉々として、喜んで座るのですが、すぐに立ってしまいます。

脚側を維持できない彼に、「いけない」といえば、「じゃあ、どうするのがいいの?」と真剣な眸が問いかけます。「ヒール」といえば、また嬉々として、一生懸命に、彼は脚側につくのです。

「スワレ」の状態からすぐに立ってしまう彼にもう一度「スワレ」といえば、すぐに、自信を持って座ります。

これは、やっぱり、おそらく私のトレーニング技術が無いせいだ、こんなことをしているうちに、ディヴォはどんどんおとなになってしまう、この子に何も教えてやれない、こんなに一生懸命学ぼうとしてくれているのに、、、、その頃は、彼と一緒にいわゆる「服従訓練」をすることが、とても苦痛になってきました。


考え直してみました。彼は、「スワレ」のコマンドを、どう理解しているのだろう?

思いいたったのは、私は「スワレ」を「座っている」と教えたつもりだったのですが、彼は、「スワレ」を「座る動作」として覚えているのではないか?

つまり、私は、彼に、sit と sitting の違いを明確に教えなかったのです。動作をほめることにより、状態を教えていなかったのです。

sitting を覚えてもらうのには、sitting している状態をほめなければ、犬には伝わりません。

私はそこで、彼が sitting している間に、それが正しいよ、という符丁となる言葉を言い続けることにしました。そして、その符丁の先には、完了したと言う合図と、褒め言葉とご褒美がまっているわけです。

脚側ポジションを崩すディヴォに「いけない」と言っていた自分を恥じました。意図を伝え切れなかったのは私で、ディヴォは何も「いけない」ことなどするつもりはなく、実際に、していけないことなど、なにもしていなかったのです。「違って、いるけど、いけなく、はない」だったのですよね。

このやり方は、私とディヴォの全てを変えてくれました。

そしてディヴォは、ブリーダーからの「預かり犬」ではなく、私のディヴォになりました。
                           kuro 続きを読む

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2005年02月01日

イギリス、アメリカなどの犬のシェルターで働く人達の一番の大きな選択/決断は、問題犬と呼ばれる、特に攻撃性を示す犬に対し、安楽死の決定を行うことだそうです。。

シェルターに持ち込まれる犬達の多くは、「飼い主の手に負えない」犬達。「手に負えない」という判断を飼い主が下すまでには、それなりの過程があり、その過程の中で、その手に負えない部分が犬の中に確立されてしまったりするわけです。

それは、何も、飼い主も犬も不幸な結果を望んでいたわけではないでしょう。なんらかの理由で、意図しない方向に物事が進んでしまい、理由に立ち返る余裕すらもてない様になってしまうこともあるのでしょう。

ダダがフリースタイルの人前での演技中、ここぞとばかりに張り切って、自信を持って吠えるようになった経験から、私はそんなふうに思います。ダダのフリースタイルでのお喋りは、危険が伴うことでもなく、生死に関わる物でもありません。究極、ダダと一緒に人前で演技しなければ、それですむことです。

しかし、不幸にも、人や犬に対する攻撃性を「身につけて」しまった場合は、ダダのお喋りとは異なります。そういった行動を身につける過程は、おそらく、本質としては同じなのに。

この犬が、シェルターから新しい、この犬をどうにかできる人の元へいけるのなら・・・、そんなふうにシェルターを訪れるのだそうです。

しかし、実際には、シェルターの環境は、必ずしも、そういった身についた攻撃性を矯正するのに相応しい物ではないといいます。だって、ちょっと考えればわかることですが、シェルターには、そのような犬達がたくさんいるのですから。

そんなシェルター環境で、行動の「改善」の見られない攻撃性を持つ犬は、新しい家庭にだすのには危険、ということで、安楽死を宣言されるというのです。

Bridge and Target Manual  の筆者である Kayce Cover さんが主催するアメリカの
SATS (Syn Alia Training System)
では、こういった攻撃性を持つ犬に、「物事に対する認識を修正する」ためのトレーニングを施す方法を提唱していて、イギリスの犬のシェルター
Wood Green Animal Shelters
では、このトレーニングが大きな効果をあげています。

Wood Green Animal Shelters からSue Gearingさんという方が日本にきて、セミナーが行われることになっています。
http://www.inutao.net/


しかし、このことは、今私の周りで、とても多く見聞きする、新しい飼い主を探している犬達の事情とは、ちょっと違います。

今日久しぶりにお散歩であったワンちゃんも、新しい飼い主の方の元へ行くそうです。飼い主の離婚がその理由です。経済的理由、住宅事情、そして、離婚というストレスを抱えた、飼い主の精神状態の事情。

楽しそうにはしゃぐ犬達が、眩しかったです。      kuro

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2004年09月19日

Bridge and Target の技術マニュアルには、この動物のトレーニング方法の技術が説明されているのだが、筆者は、このマニュアルの後の方で、相当数のページをさいて、用語の定義を行っている。

英語のそれぞれの用語を、論理展開の順を追って説明し、その次に、同じだけのページ数をさいて、用語をアルファベット順に辞書のように並べて、同じ説明文を掲載している。

これらの用語の多くは、行動分析主義による心理学で使われ、そこから展開している、昨今の犬のトレーニング法の中でもよく耳にする言葉だ。

reinforcer , punisher, operant conditioning, positive, negativeなどなど・・・
カタカナになおされ、また日本語の言葉に言い換えられ、犬のトレーニングに興味を持つ私達のまわりに氾濫している言葉群である。

確かに、筆者がこれらの言葉を、どのように定義しているかをきちんと理解しなければ、方法論の底に流れる思想を知ることはできないはずだ。

これらの言葉の、筆者による定義は、それぞれとても興味深い。

この技術マニュアルにおける 
positive の定義は「(その環境に)加える」であり、
それに相対する言葉としての 
negative の定義は「(その環境から)減じる」だ。

reinforcer       その直前の行動の頻度をあげるもの
punisher         その直前の行動の頻度を下げるもの
  筆者はpunisherという言葉は、感情的な誤解を引き起こし
  やすいので、 diminisherという言葉に置き換えたい
  (その方が論理的)と考えているようだ。

positive reinforcer    動物の行動直後に(環境に)加えられる
             ことにより直前の行動の頻度が増す、
              動物が欲するもの(こと)
negative reinforcer    動物の行動の結果として直後に(環境から)
             削減されることにより、直前の行動
             の頻度が増す、動物が嫌うもの(こと)

だから、もちろん、punisher にも positive と negative があるわけだ。

ん~・・・なるほどぉ~。

などと読んで、そのまま行動学の世界ネット上でさまよっていると、operant cinditioning から Skinner理論 に行き着き、さらに、行動学の日本語サイトに行き着いた。

そこでは、学術用語として、reinforcerは「好子」、punisherは「嫌子」という言葉で表現されていた。

犬のトレーニングの世界では、科学的な根拠に基づいた新しいトレーニング法として、operant conditioning についての説明や、positive reinforcerを使ったトレーニング法の有効性などが説明されることが多いが、この「好子」「嫌子」という言葉は、犬のトレーニングでは聞いたことが、私はなかった。

犬のトレーニングにおける行動学の理論と、それ以外の学術的な分野での行動学の理論とは、どこが接点で、どこが懸け離れているのだろう?
何が、どう、訳されているのだろう?

さまよっただけの理解なので、私が間違って受け取った部分はあるのだろうが、純粋に、興味は尽きない。



このマニュアルの筆者の Kayce Cover さんは、もし、自分が日本で、自分の技術を説明するという仮定の元、英語と日本語の語順の違い、そこにあらわれる英語圏と日本語圏の文化の違いについて、大変に興味があるという。

自分の話が、どのように伝わり、どのように理解され、どのように実践され、どのように、ヒトと動物とのコミュニケーションに反影されるのか?そして、動物が、きちんとそこから恩恵を受けるか?そんなことを、とっても気にしている。

動物が、きちんと恩恵を受け、ヒトの社会の中で生涯を全うできなければ、トレーニングの意味はないのだから・・・。

自分の母国語で説明する時でさえ、一番の基礎となる単語の相互理解を取ることに重きをおき、異文化圏で自分の提唱する方法論を説明するにあたって、その理解する、大本の言葉の成り立ちの違いに注目する。

コミュニケーションの原点に細心の注意を払い、実社会での結果を重視するという点において、動物のトレーニング、動物とのコミュニケーションに成功するヒトの、その成功の理由が、なんとなく解るような気がする。

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